所有者の老人ホーム入居で自宅を売却することになったら？

所有者が老人ホームに入居した場合、自宅はどうすれば良いのでしょうか？
思い出のある実家なのでなるべくそのままにしておきたいという意見もあります。
この記事では所有者が老人ホームに入居した自宅の活用方法について解説します。

結論から言うと、空き家になった実家は売却してしまうことがオススメです。
売却によって得た利益を老人ホームの入居にすることで親族の費用負担を大きく減らすことができ、固定資産税を支払う必要もなくなります。
そのため、介護費用や固定資産税を誰が払うのかを親族間で揉めるというトラブルも減ります。

また、空き家の管理をしなくてよくなるという工数削減のメリットもあります。
空き家を放置しておくと家の価値が下がり、不審者が住み着く事もあります。
特定空き家に認定されることで固定資産税が6倍になるリスクも潜んでいるため、空き家になった場合は売却を検討するようにしましょう。

空き家の実家を売却するメリットはあるものの、不動産は原則所有者しか売却することができません。
しかし、様々な理由によって所有者が売却できないというケースは多くあります。
その場合は空き家を親族が相続する時まで管理し続けることになり、大きな負担となります。
この章では親名義の家を親が売却できない場合に、代わりに売る方法を解説します。

＊委任売却する

体力的に売却活動ができなかったり新型コロナウィルス対策により老人ホームでの面会ができない等の理由であれば、所有者が署名押印した委任状を使うことで親族が委任売却することができます。
最終的には所有者の合意が必要になりますが、スムーズに売却を進めることができます。

＊成年後見人制度を利用する

所有者が認知症になってしまったりと正常な判断ができなくなった場合、成年後見人制度を利用することで自宅を売却することができます。
ただし、この制度利用によって自宅売却をするためには複雑な条件をクリアする必要があるため、なるべく認知症を発症する前に委任売却するようにしましょう。

今回は、所有者が老人ホームに入居した自宅の活用方法を見てきました。
親名義の家が空き家になった場合は、売却することで親族の負担を大きく減らすことができます。
その方法としては任意売却がオススメですが、具体的な売却の進め方は、不動産のプロに相談するようにしましょう。