抵当権付きの不動産を相続したときの対処法は?詳しく解説します!
2022/08/29
抵当権付き不動産を相続した場合、通常の相続と同様に扱えないケースがあります。
この記事では抵当権付き不動産の特徴と、相続した場合の対処法について解説します。
□そもそも抵当権とは?
抵当権とは、銀行などが資金を融資した際に担保とする権利のことです。
融資をする側を債権者、支払う義務がある側を債務者と呼びます。
債務者の支払いが滞った場合に債権者は抵当権付き不動産を売却し、利益を確保することができます。
抵当権が付与されているかどうかは、全部事項証明書で確認することができます。
全部事項証明書は最寄りの法務局で誰でも取得することができるので、比較的手軽に確認できると言えるでしょう。
ただし、全部事項証明書には抵当権が付与された際に登記された記録は残されていますが、支払いが完了し抵当権が無くなっている場合は登記されていない場合があります。
そのため、抵当権が残っているかどうかを確認するためには、全部事項証明書に記載されている銀行に問い合わせし確認するのが確実です。
□不動産を相続しても抵当権は消滅しない!
抵当権付き不動産を相続した場合、抵当権は消滅することはありません。
ただし、住宅ローンによる抵当権であれば抹消できるケースがあります。
*住宅ローンの抵当権であれば団体生命信用保険の適用を確認する
団体生命信用保険とは、住宅ローン債務者が借入額を全て返済する前に亡くなった場合、残債を完済することができる生命保険です。
そのため、相続取得した不動産が住宅ローンの場合すぐに銀行へ連絡し適用の有無を確認しましょう。
適用可能であれば抵当権抹消登記費用の約5万円を支払うことで、抵当権を抹消することができます。
*住宅ローン以外の抵当権は消滅させることはできない
住宅ローン以外の抵当権が付与されていた場合、その抵当権ごと相続することになります。
この場合、家を売却してその費用をもって抵当権を抹消させる方法が一般的ですが、売却せず返済を続けることも可能です。
不動産の相続人だけでなく、他の相続人においても費用負担させることができるため遺産分割時には負担割合を協議するようにしましょう。
□まとめ
今回は、抵当権付き不動産の特徴と、相続した場合の対処法について解説してきました。
抵当権が付与されている不動産を相続した場合、まずは抹消可能かどうかを確認するようにしましょう。
抹消方法は団体生命信用保険などを利用するのがベターですが、利用できない場合は不動産売却がオススメです。